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海外移住で所在不明となった日系相続人を探して15年

 海外移住で所在不明となった日系相続人を探して15年

   株式会社高橋不動産鑑定事務所

    不動産鑑定士 髙 橋 雄 三

 

 九州より広い面積の所有者不明土地問題をどう解決すべきか、国をあげての対応が求められている。福島県の用地担当者から相談され、海外に移住し所在不明となっている相続人調査を手がけて15年になる。 

 所有者不明土地の相続人は、国内だけでなく海外にもいる。相続開始後、半世紀も経つと相続人を探し出し、手続きを進めるには多くの困難を伴う。ましてや、相続人が海外に移住したケースでは、言語・生活習慣・法制度・時間の壁は高く、厚い。 

 幸い、国内外のスタッフに恵まれ、15年で40件余の相続人を探し当て、解決のお手

伝いができた。移住先はブラジル・米国・韓国等7ヶ国に及ぶ。探し当てた相続人からは、「いとこや親類縁者と会えたし、ご先祖様の墓参りができた」、など感謝されることもある。先方も自分達のルーツを知りたがっていることも分かった。 

 今年6月の特措法成立で、所有者が分からないケースでも公共目的であれば最長10年の利用が可能になったが、前提として「相当な努力が払われ、所定の方法での探索」が求められていることに変わりはない。

 外務省も「所在不明者調査」の窓口は設けているが、書類上の調査が主で限界がある。

  従来、用地買取担当者は所有者が海外に移住し所在不明の場合は、手続きを進めるのが難しいので関連書類を引き出しの一番下に仕舞い込み、次の担当者に引き継ぐ例が多かったようだ。

 現行法でも可能な「不在者財産管理人制度」による買収手続きも、「あらゆる手法を

駆使して相続人を探したが見つからなかった」裏づけ資料が求められている。

 法令・手続き遵守意識の高まりと共に、用地担当者の悩みと困難は増し、当社への

相談・依頼は増えている。 

 インターネットの活用、現地日本人社会との協力関係の構築、現地の言語と実情に通じた人材の確保等々、求められる経験とノウハウは少なくない。そのポイントは相続人の(死亡)代替わりで増えた相続人(二世、三世)をまとめてくれる「世話役」をどう見

いだすかにあるが、他にも課題は多い。 

 所有者が不明のため土地の利用・活用ができないことが日本経済に与える損失は、2040年までに約6兆円と推定されている。未だボランティアレベルだが、海外に移住し、所在不明となっている日系相続人調査がこの大きな問題の解決に少しでもお役に立てればとの思いで続けています。

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用地買収の地権者(共有者)の中に、海外移住後に所在不明となり、探しだせない人がいる。
海外在住の地権者(高齢、二・三世)が日本語ができないため、用地交渉ができない。
現地の慣習、法律等を理解していないので、交渉がうまくいかない。